Fyndhorn Elves

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Card of the Day -今日の1枚- 2016/11/28

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先日公式記事で「ストームスケール」に関する最新のものが更新されていたので、飛びついて楽しく読んだ。マローのぶっちゃけていく姿勢は好きだ。「不評だった」と失敗を受け止めていく、という記事のスタイルは他のゲームでも行われているのだろうか。いずれにしても、そういうところもアメリカなんだなと。成功の裏には失敗があることを潔く公表していくスタイル、いいね。その分、成功したものについては「カラデシュ!本当にすごいんだ!」の時のようにはしゃぐ姿がチラリと見えるのがまた良い。

 

さて、マジックの歴史は24年目を迎える。長い。赤子がサラリーマンになるだけの年月をかけて蓄積されたものをベースに最新のカードはデザインされているが、それでも"盟友"のような失敗能力は出てきてしまう。ただこの失敗を糧に、次の同盟者絡みの能力はより良いものへと進化するはずだ。今日はそんなデザイン的な失敗を抱えたカードを紹介しよう。これらのカードがあったからこそ、マジックは最高のカードゲームとして世界中の人々に愛されるようになったのだ。タイトルはかわいらしく「ミスっちゃったウィーク」で、それじゃ早速いってみよう!

 

と、いきなり失敗作には見えないカードが登場。なんだったら、今日のレガシーにおける「エルフ」デッキでも1マナのマナクリーチャーとしてしっかりと採用されていたりするじゃないかと。このカードは『アイスエイジ』にて登場した《ラノワールのエルフ》の同型再販だ。そのまんま、全く同じ能力を持ったカードを別の名前で新カードとして最新セットに収録するという方法は、大体この『アイスエイジ』頃から取られるようになっていく。初のブロックを意識した大型セットであり、このセット単体でもマジックが遊べるように《対抗呪文》《解呪》《暗黒の儀式》といった基本セットのカードが多数収録された『アイスエイジ』。しかし緑の基本である《ラノワールのエルフ》は採録できなかった。何故か?答えは簡単で、氷河期を迎えたこのセットの舞台・テリシア大陸とラノワールは無関係であるということ。ラノワールが存在するのは同じ次元ドミナリアでもエローナ大陸だ。ここで《ラノワールのエルフ》を収録すると世界観が壊れてしまう。そこで、同型再販という手法が取られたというわけ。

 

性能としてはラノワールとなんら遜色なく、安定の1マナ圏として機能する。これが何故失敗なのか?答えは《ラノワールのエルフ》と同時期にこのカードがスタンダード・リーガルだったということ。両方とも使えるのであれば、これを5枚目以降のラノワールとして運用することが出来る。8枚1マナマナクリがいれば、さすがにデッキも安定するというもの。土地を切り詰めたビートダウンが成立したのだが、これはやはりあまり良くない事態だったようで...同型再販を安易に行うと、このように環境の選択肢を狭める原因になってしまう、という教訓として今に語り伝えられている。

 

『From the Vault : Twenty』に1996年の代表カードとして採用されたのには、そういった背景もあるのかもしれない。カードデザインって難しいんだな(今週の定番セリフ)。


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